カメロンの戦い〜第2章〜
午前10時、メキシコの乾いた暑さの中、昨夜から水、食事もとらず、外人部隊は空腹とのどの渇きにも苦しめられていた。
さらに目前では、メキシコ軍の騎兵約800名と、それに合流しようと歩兵約1200名が迫っていた。
そしてメキシコ騎兵隊の攻撃が開始される。
メキシコの狙撃兵が狙い撃ちし、騎兵が突撃を仕掛けてくる。 そんな激しい攻防の中、ダンジューは防御のための指揮を取っていたが、正午ごろ、狙撃兵に狙われ、胸に銃弾を受けて死亡する。
メキシコの歩兵隊が合流しただけでなく、現地のインディオも加わり、こちらに向けられる銃火が増えたにもかかわらず、外人部隊は必死の攻防を繰り返していた。双方死傷者が増える中、再びメキシコ軍は降伏を呼びかけるが、ダンジュー大尉との誓いを外人部隊兵達は忘れてはいなかった。 そして午後2時ごろに、ビランが倒れる。
そのころ、メキシコ軍は、外人部隊の守備陣地である宿舎に火を付けることに成功する。
暑さ、空腹、そして煙に悩まされながらも、レジョネア達に生気は残されていた。 が、そんな状況の中、彼らの間にもいざこざが絶えなくなってきていた。 外人部隊の死傷者は増えていったが、それ以上にメキシコ軍の被害は大きかった。
午後5時ごろ、マウデの周りで戦えるのは、12名のレジョネアだけになっていたが、更なる降伏の呼びかけにも、外人部隊は応じることはなかった。
すでに数百人の死傷者が出ているメキシコ軍の大佐が、自軍を集結させ
"あの少人数を倒せないとは、なんと恥さらしなことか！次の攻撃で倒せなければ勇敢な彼らを解放する！"
と宣言していた。（一人のスペイン語を理解するレジョネアがこれを聞いて訳していた。）
再び攻撃が開始され、メキシコ軍は突破口を開くのに成功。
それを足がかりにメキシコ軍は、最後の攻撃を仕掛けてきた。（この攻撃の前に、マウデは"これ（メキシコ軍）を、軽く撃退しろ" という内容の通知を受け取っていた・・・。輸送隊保護のため、第3中隊は見捨てられたのである。）
しばらくして、マウデの周りで戦えるのは、マン伍長、カトー、ウェンセル、コンスタンティン、レオナルドの5名だけであった・・・。
