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ダンジューの義手

カメロンの戦いにおいて、キャピテン・ダンジュー(ファーストネームはジャン、キャピテンは大尉の意味)は、その名を後世の外人部隊兵達に語り継がれるこの人物は、イタリア、アルジェリア、クリミアを外人部隊とともに歴任し、当時から指揮能力の高い将校として一目置かれる存在だった。

最高の名誉ともいえる、レジョン・ドヌール勲章を受けたこともあり、軍人として優秀な人物として広く知られていた。

そんな彼は、戦闘なのか事故なのか定かではないが、爆弾の爆発により左手を失っていた(元から左手がなかったという説もあるが、そのような人物が軍属として採用されるのかという疑問が残る)。

代わりに各指の関節まで作られた、木製の義手を左腕に取り付け、それで起用に馬に乗ることが出来たという。

その義手は、持ち主がこの世を去ったカメロンの戦いのあと、地元のインディオにより発見され、1865年に外人部隊に売却される。

今では、この義手は聖なる遺品として、オバーニュ駐屯地内の外人部隊博物館に展示され、カメロン記念日のパレードでも公開される。

外人部隊兵達が新兵として部隊配属されるとき、そして部隊生活を終えたとき、セレモニーの一貫としてこの義手を中心とした儀式が行われる。

ある意味、宗教的ともいえるこの義手に対する外人部隊兵の思い入れは、ダンジューそしてカメロンでの戦没者だけでなく、これまでのすべての戦いで散っていった多くの外人部隊兵に対する追悼の意味が強いといえる。

ダンジューが付けていた義手への崇拝、これもひとつの伝統として外人部隊兵たちの団結心に一役買っているのは間違いない。

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