カメロンの戦い〜〜第3章〜
外人部隊兵達にまだ弾は残されていた。
すぐそこに敵が迫る中、彼らは小銃に着剣し、壁を背にして庭の角に陣取った。
敵が正面に現れ、至近距離から発砲し、あわただしく銃剣を突き立てる・・・。
突撃体制をとったマウデに敵が発砲・・、このとき外人部隊兵カトーが、上官であるマウデをかばいその身に19発の弾丸を死亡。
マウデも深手を負い、ほかにも2名が倒された。
残ったマン伍長、ウォンツェルとコンスタンチィンの3人の外人部隊兵を前に、メキシコ軍は銃撃をやめたが、まだ3人は突撃体制を取ろうとした。
そのとき!フランスで軍事教育を受けた経験を持つメキシコ軍のカンバス大佐が、外人部隊兵を救うために突進して来た。
カンバスは外人部隊兵達に叫んだ!
"投降しろ!"
"もし、負傷者の手当てをし、我々に武器を残したままにすると約束するならば投降しよう!"
と、マン伍長が答えたのに対し
"君達のような男からの申し出を断る理由はなにもない!"
とカンバス大佐は答えた。
それでもまだ、外人部隊兵達の銃剣は、敵を威嚇するのをやめてはいなかった・・・。
捕虜というより客人のようにカンバスに付き添われた外人部隊兵を見たとき、メキシコ軍のミラン大佐はこう言った・・・。
”人間ではない、鬼だ”
こうして、外人部隊の戦歴で、最も有名なこのカメロンの戦いは幕を閉じた。
ダンジュー大尉が指揮を取る65名だけの第3中隊は、11時間の間、2千人のメキシコ軍を食い止め、このうち300名を倒し、同じぐらいの数の負傷者を敵に与えた。
彼らの犠牲により輸送隊は無事に目的地に到着し、任務は達成されたのである...。